【2025大阪万博】「花博」と「万博」の違いとは?

万博

日本では「花博」や「万博」という言葉を耳にすることがありますが、これらが具体的に何を指し、どのような違いがあるのかを知らない人が多いのではないでしょうか?

どちらも大規模なイベントであることは共通していますが、その目的やテーマには明確な違いがあります。

このブログ記事では、「花博」と「万博」の違いをわかりやすく紹介しつつ、1990年に開催された「花の万博」と2027年に予定されている横浜の「花博」を例に挙げて具体的に見ていきましょう。

 花博と万博の基本的な違い

まず、「花博」と「万博」の違いを簡単に整理します。

  • 花博(国際園芸博覧会)
    「花博」は、正式には「国際園芸博覧会」と呼ばれ、花や緑、園芸文化をテーマにしたイベントです。国際園芸家協会(AIPH)の承認を受けて開催され、自然と人間の共生や環境問題への意識向上を目指します。規模や内容はクラスによって異なりますが、特に最高クラス(A1)のものは博覧会国際事務局(BIE)の認定も必要で、国際的な注目を集めます。花や植物を通じて暮らしの豊かさや持続可能性を提案することが特徴です。
  • 万博(国際博覧会)
    一方、「万博」は「国際博覧会」の略で、BIEが主催または認定する大規模な展示会です。テーマは多岐にわたり、産業や科学技術、文化、未来社会など、時代を反映した幅広い内容が扱われます。万博は国威発揚や技術革新の場としての役割が強く、歴史的には1851年のロンドン万博から始まりました。1970年の大阪万博(EXPO’70)のように、国家的プロジェクトとして開催されることが多いです。

簡単に言えば、花博は「花と緑」に焦点を当てた専門性の高いイベントで、万博はより広範で総合的なテーマを扱う国際的な祭典と言えます。

 1990年の花の万博(EXPO’90):アジア初のA1クラス花博

1990年4月1日から9月30日までの183日間、大阪府の鶴見緑地で開催された「国際花と緑の博覧会」は、通称「花の万博」や「EXPO’90」と呼ばれました。このイベントは、アジアで初めてA1クラスの国際園芸博覧会として開催され、BIEの認定も受けた特別なものでした。

  • テーマと特徴
    テーマは「自然と人間との共生」。花と緑を通じて、21世紀に向けた豊かで潤いのある社会の創造を目指しました。会場面積は約140ヘクタールで、83カ国と55の国際機関、212の企業・団体が参加。総来場者数は約2312万人に上り、特別博覧会としては史上最高を記録しました。
  • 見どころ
    会場は「街のエリア」「野原のエリア」「山のエリア」に分かれ、国際庭園や大温室、企業パビリオンが立ち並びました。特に、高さ90メートルの「いのちの塔」は花博のシンボルとして知られ、自然とのつながりを象徴していました。また、猛暑の中での開催となり、人工雪やクーラー付きテーブルなどの暑さ対策が話題に。
  • 花博としての意義
    従来の万博が産業や技術の展示に重きを置いたのに対し、花の万博は環境問題や自然との調和に焦点を当てた点で新しい方向性を示しました。園芸を通じて世界の知恵を集め、未来へのメッセージを発信したのです。

 2027年横浜花博(GREEN×EXPO 2027):37年ぶりのA1クラス

次に、2027年3月19日から9月26日まで横浜市瀬谷区で開催予定の「2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)」を見てみましょう。これは1990年の花の万博以来、37年ぶりに日本で開催されるA1クラスの国際園芸博覧会です。

  • テーマと特徴
    テーマは「花や緑との関わりを通じ、自然と共生した持続可能で幸福感が深まる社会の創造」。横浜から友好と平和のメッセージを発信し、SDGsや環境保護を意識した内容が予定されています。会場は旧上瀬谷通信施設跡地を中心に約100ヘクタールで、来場者数は1500万人を見込んでいます。
  • 見どころ
    5つのビレッジと3つのゾーンで構成され、最先端の園芸技術や美しい花の展示が楽しめます。サブテーマとして「自然との共生」や「幸福感の可視化」が掲げられ、現代の課題解決に向けた提案が期待されます。また、終了後には次世代型テーマパークや防災拠点が整備されるなど、地域振興にもつながる計画です。
  • 花博としての意義
    2027年花博は、植物の多様な価値を再認識し、質的成熟社会への転換を促す場となるでしょう。1990年の花の万博同様、自然と人間の関係を見つめ直すきっかけを提供しますが、現代ならではの視点として持続可能性や幸福感が強調されている点が特徴です。

 花博と万博を比較してみると

1990年の花の万博と2027年花博を踏まえて、花博と万博の違いをさらに明確にしてみましょう。

  • テーマの範囲
    花博は「花と緑」に特化し、自然や園芸に焦点を当てたイベントです。一方、万博は例えば1970年の大阪万博(テーマ:人類の進歩と調和)や2025年の大阪・関西万博(テーマ:いのち輝く未来社会のデザイン)のように、技術や社会全体を視野に入れた壮大なテーマが特徴です。
  • 目的の違い
    花博は園芸文化の普及や環境意識の向上を目指し、生活に近い視点を持ちます。万博は国家や企業の技術力を見せつけ、未来社会を描くことが多いです。
  • 規模と参加者
    どちらも国際的なイベントですが、万博の方が参加国や来場者数が多くなりがちです。例えば、1970年万博は6422万人、1990年花の万博は2312万人、2027年花博は1500万人(予定)と、規模感に差があります。

 まとめ

花博と万博は、どちらも私たちに新しい視点や感動を与えてくれる素晴らしいイベントです。

花博は花と緑を通じて自然とのつながりを感じさせ、万博は人類の進歩や未来像を提示します。

1990年の花の万博は環境への目覚めを促し、2027年横浜花博は持続可能な未来への一歩となるでしょう。

一方で、万博はより広範なテーマで世界をつなぎます。

2027年の横浜花博が近づくにつれ、どんな展示や体験が待っているのか楽しみですね。

花博と万博の違いを知ることで、これらのイベントをより深く楽しめるはずです。

あなたはどちらに魅力を感じますか?

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