【2025大阪万博】万博の「登録博」と「認定博」の違いとは?

万博
万博(国際博覧会)は、世界各国が集まり、文化や技術の成果を展示する国際的なイベントです。

国際博覧会条約に基づき、博覧会国際事務局(BIE)の承認を受けたものだけが正式に「万博」と名乗れます。

この万博には、「登録博覧会(登録博)」と「認定博覧会(認定博)」という2つのカテゴリーが存在し、それぞれ規模や開催条件、テーマの扱い方などが異なります。

今回は、その違いを具体例を挙げながらわかりやすく説明します。

 「登録博」と「認定博」の定義と基本的な違い

  • 登録博(Registered Exhibition)
    登録博は、大規模で総合的なテーマを扱う万博です。原則として5年に1度開催され、開催期間は最長6か月と長期間に及びます。参加国が自らパビリオンを建設し、展示内容も多岐にわたるのが特徴です。かつての「一般博」に相当するもので、現在はこの形式が万博のメインイベントとされています。
  • 認定博(Recognized Exhibition)
    認定博は、登録博に比べて規模が小さく、テーマが特定の分野に絞られている万博です。開催期間は最長3か月で、登録博の間に行われます。パビリオンの建設は基本的に開催国が担当し、参加国の負担が軽減されています。以前の「特別博」に似ていますが、現在の条約では新たな区分として定義されています。

 具体例で見る「登録博」と「認定博」の違い

具体的な過去の万博を例に挙げて、それぞれの特徴を見てみましょう。

登録博の例:1970年大阪万博(日本)
  • 概要: 日本で初めて開催された万博であり、アジア初の登録博(当時は「一般博」と呼ばれていた)。テーマは「人類の進歩と調和」で、期間は1970年3月15日から9月13日までの約6か月間でした。
  • 特徴: 参加国数は77か国、来場者数は約6,400万人と大規模で、会場面積も広大でした。各国が独自のパビリオンを建設し、アメリカ館の「月の石」やソ連館の巨大な展示など、技術や文化の多様性が際立っていました。シンボルである「太陽の塔」は今でも多くの人々の記憶に残っています。
  • 登録博らしさ: 長期間かつ総合的なテーマで、世界中から注目を集める国家的プロジェクトとして実施されました。
認定博の例:1990年国際花と緑の博覧会(日本・大阪)
  • 概要: 通称「花博」と呼ばれ、1990年4月1日から9月30日まで開催されました。ただし、認定博としての正式な期間は3か月に限定され、テーマは「花と緑と人間生活のかかわり」に特化していました。
  • 特徴: 参加国は83か国と多かったものの、規模は登録博ほど大きくなく、会場面積も25ヘクタール以下に制限されました。パビリオンは主催国側が用意し、各国は展示に専念する形式でした。園芸や環境に焦点を当てた展示が中心で、教育的要素が強かったです。
  • 認定博らしさ: テーマが絞られ、期間も短く、開催国の負担が大きい点が特徴的です。
登録博の例2:2025年大阪・関西万博(日本)
  • 概要: 2025年4月13日から10月13日までの6か月間、大阪の夢洲で開催予定の登録博。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」で、SDGsや未来技術が強調されています。
  • 特徴: 150か国以上の参加が見込まれ、各国が自前でパビリオンを建設します。巨大なリング状の大屋根や「空飛ぶクルマ」などの先進技術が注目されており、来場者数は約2,800万人を想定しています。
  • 登録博らしさ: 規模の大きさ、長期間の開催、そして多様なテーマが扱われる点で、登録博の典型例と言えます。
認定博の例2:2017年アスタナ万博(カザフスタン)
  • 概要: 2017年6月10日から9月10日までの3か月間開催され、テーマは「未来のエネルギー」に絞られました。
  • 特徴: 参加国数は115か国で、会場面積は25ヘクタール以下。パビリオンはカザフスタン側が用意し、各国はエネルギー関連の展示を行いました。コンパクトながら専門性が高い内容が特徴でした。
  • 認定博らしさ: 短期間でテーマが明確に限定されており、開催国の役割が大きい点が認定博の典型です。

 主な違いのポイントまとめ

項目
登録博
認定博
開催頻度
5年に1度
登録博の間に1度
期間
最長6か月
最長3か月
規模
大規模(会場面積に上限なし)
中小規模(25ヘクタール以下)
テーマ
総合的・多岐にわたる
特定の分野に特化
パビリオン
参加国が建設
開催国が用意

 なぜ2つのカテゴリーがあるのか?

登録博と認定博の区分は、万博の多様性と柔軟性を保つために設けられました。

登録博は国家的な威信をかけた大規模イベントとして機能し、開催国や参加国の技術力や文化力を世界にアピールします。

一方、認定博はより専門的で小規模なテーマに焦点を当て、新たなアイデアや技術を試す実験場としての役割を果たします。

これにより、頻繁に開催される認定博で革新的な試みがなされ、その成果が次の登録博で花開くというサイクルが生まれています。

 まとめ

登録博と認定博は、規模や目的、開催形式において明確な違いがあります。

1970年や2025年の大阪万博のような登録博は、世界的な注目を集める壮大なイベントであり、一方、1990年の花博や2017年のアスタナ万博のような認定博は、特定のテーマを深掘りするコンパクトな展示会です。

2025年の大阪・関西万博が目前に迫る今、過去の事例を振り返りながら、その違いを理解することで、万博の魅力をより深く楽しめるでしょう。

あなたはどちらのタイプの万博に惹かれますか?

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